CCNP Routing and Switching の要件の一つ、300-135J TSHOOT に独学で合格できました。881点でした。実践した勉強方法をご紹介します。
TSHOOTはトラブルチケットで決まる
CCNAやCCNPの他の試験と大きく異なり、TSHOOT試験は「トラブルチケット」というシミュレーターを使った問題をいかに解くかが鍵を握っています。
トラブルチケット問題では、既に接続や設定が施された機器群のトポロジーが提示されます。1つの機器をクリックするとコンソール画面が開き、限定されたコマンドを入力できます。pingやshow 系統のコマンドによって、疎通やコンフィグをはじめとする各種の情報が確認できます。
問いは、「ある機器からある機器への通信ができない、もしくは機器が想定通りに動いていない、という障害の原因を特定しなさい」というものです。
私はトラブルチケットのイメージができず、サンプルを探しました。以前はCISCOがシミュレーターのサンプルを公開していたようなのですが、現在は無くなってしまったようです。
YouTube では今でも見ることができました。英語ですが、イメージはつかめると思います。
トラブルチケット問題は10問前後出題されますが、トポロジーは全て同じです。CISCOのユーザー掲示板にPDFで投稿されていました。3枚の図は、同一の機器群をL2、L3(IPv4)、L3(IPv6)で整理したものです。
以下のサイトでTSHOOTのFAQが読めます。一部、実際の試験と異なる記述もありますが(例えば現在の試験時間は120分)、目を通しておくと幸せになれます。機械翻訳でも十分に読めます。良く読むと際どい情報まで辿れます。
試験では、トラブルチケットと異なるシミュレーション問題が1問出題されます。別のトポロジーになっていて、コンソールからコンフィグレーションモードに入ることができ、コンフィグを書き換えることで障害を回復させることが要求されます。
さらに、なじみのある選択式の問題が5~6問出題ます。TSHOOTでは全部で約20問前後の問題が出題されるようです。
前述の通り、トラブルチケットが10問前後です。出題数の半分以上を占めています。いかに早くトラブルチケットを解くかが勝負どころです。
Ping-tが最強
トラブルチケットを短時間で解く為には、練習問題を数多くこなすことが有効です。ありがたいことに、試験対策サイト「Ping-t」にはトラブルチケットの問題がたくさんあり、トレーニングに最適でした。Ping-tは必須だと思います。

そうは言っても、Ping-tだけでは一発合格に心許なかったので(何しろ自費ですから)、書籍も使いました。
私は翔泳社の白本を使いましたが、合格後に見比べると、黒本でも白本でも、どちらでも良かったと思っています。
バグが潜むシミュレーター
TSHOOTのシミュレーターには、通るはずのpingやtracerouteが通らない、という恐ろしいバグが潜んでいます。
バグについてはping-tの合格体験記を読むと、心構えができて良いと思います。

実際に私も本試験で、通るはずのpingが通らない現象に遭遇し、頭を切り替えるのにだいぶ時間を取られてしまいました。pingを捨てて、ip route や コンフィグから解答を見つけました(合っていたかはわかりませんが)。
合格体験記を読んでいなかったら、このトラップから抜け出せなかったと思います。
一番易しい、でも甘くない
CCNPの3つの試験の中で、TSHOOTが最も合格しやすい気がします。あまり深い知識は要求されませんが、一方で、素早く問題を発見する能力が要求されます。これは、実務経験よりも、受験テクニックと言うべき能力で、鍛えるには練習問題を数多く解く他にないと感じました。
しっかり準備して、合格を勝ち取りましょう!
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