親知らずを抜いたらやっぱり大変だった話

歯医者さんに行くたびに「抜いたほうがいいよ」と言われ続けた親知らず。歯肉にすっかり埋もれていて、生えている方向も横向き。歯周ポケットができていて骨がやや溶けているとのこと。骨が溶けてる?なにそれ。いずれ間違いなく悪さをするので、抜いたほうが良いと言われ続けていました。

骨が溶けては困るけれど、歯肉を切ってから削り出すとか、周りに神経があるとかないとか言われて、抜歯というより手術レベルの模様です。手術…。怖くて逃げていたのですが、やるなら時間のある今しかない、僕だってやるときはやるのだ!と一時的な無双になり、「抜きます」と言ってしまいました。

抜歯の日。既に後悔しています。怖すぎる。言うんじゃなかった。

診察台に横たわり、無心になるべく半眼かつ丹田呼吸で瞑想していると、
先生:「無心になろうとしてます?(ニヤリ)」
お願いだからのぞきこまないで泣きそうなんす。

「じゃ、いきますねー」と床屋さんの洗髪前みたいにライトに言われて、手術開始です。口の中にぶっつぶっつと麻酔を打たれるともう感覚がありません。好きにして。

部分麻酔なので痛くはないものの、感覚ははっきりしています。「キィィ」という歯医者さんの機械音と削られてる振動がごりごり伝わってきて、たまに強く引っ張られる感覚があって「メキッ」って音が聞こえたり。私はもしかして口から改造されているのか?

耐えること約30分。
「終わりましたよー」
という声で解脱完了。長かったのか短かったのか、さっぱりわかりません。改造はされていない模様。「うまくいったと思います」と言われて魂出でました。

抜いた歯を見せてもらったら5つのパーツに分解されていました。抜くというより切断して削り出す、というのが正しいのだと思います。

看護婦さんが「うがいしてくださいねー」というので口に水を含んだら、麻酔で唇を閉じていられず、水がぴゅっと飛び出して診察台を濡らしてしまいました。漏れちゃった…。
看護婦さん:「だいじょぶですよー(笑顔)」
私:「ふいまふぇん(泣)」
極上の恥辱プレイでした。

抜歯後2日目。とんでもなく大変でした。

ピンポン玉のような見たことない腫れ。明らかになにか仕込まれた模様です。奴めやりやがったな。顔の半分がこぶとりじいさんだ。

血の味がするので口をゆすいだらマキシマムな激痛が!オーマイ!30分くらい痛くて本気の涙出たとです。

抜歯後にいただいた手引き書に「血が止まらないときはガーゼを10分間しっかり噛んでください」と書いてあったので、噛んだらガーゼ血だらけでびっくり。これだいじょうぶなのか?そういえば看護婦さんが
「血がどっくどく出たら電話してくださいねー」
と言っていたっけね。ライトに。どっくどくじゃないからだいじょうぶなんだな、きっと。

牛乳だけ飲めました。牛乳最高です。あんまりしみない。抜いた右奥の方に牛乳が行かないように、常に首を左に傾けて飲んでました。がんばれ重力。首が痛い。

口が開かないし話しにくいしなにしろ痛い。この日は何もできませんでした。抜歯の翌日はフリーにしておくのがおすすめです。

3日目からは動けるようになりました。でも噛むと痛いし、 血の味もするし、傷が開いたらと思うと怖いし、口もあまり開けられないし。バナナとか豆腐とかプリンとか、柔らかいものを小さくして飲み込むように食べて、首は常に傾けてがんばれ重力スタイル。こんな日が1週間くらい続いて、体重が1キロ落ちました。痩せたというよりやつれた感じ。好きなものを食べられないのは結構つらかったけれど、妻さんが食べやすいように工夫してくれたのは嬉しかった。

10日目に抜糸しました。状態は日々改善して、腫れもだいぶ引いて、痛みはずいぶん軽くなり、硬い食べ物はだめだけれど、いろいろ食べられるようになりました。

歯肉の腫れが引いて、抜いたあたりが自分でも見えるようになりました。口の中をスマホのライトで照らしてよく見てみると、奥歯と歯肉の間にすき間ができていて、小さいけれど深そうな穴がぽっかり空いています。歯ブラシで触ったら鈍い痛みがどっかーんて来たとです。この穴何?おチャクラ開いた?

先日、20日目の診察を受けたので先生に聞いたら「触らないでくださいねー、3か月くらいで閉じますよー」とのこと。常にライトに。歯がなくなったので歯肉が痩せたためらしいです。3か月かー。きちんと治るまで時間がかかるのですね。

これを書いている今、抜いてから3週間経ったところです。硬い食べ物を避けたり、妙に痛いときもありますが、生活に大きな支障はありません。やっぱり歯を抜くのって大仕事でした。時期を選んで挑むのが良いと思います。

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