彼らの滑りっぷりに学園祭を懐かしむ話

 近所にあるイベントスペースで、いくつかの高校が合同イベントを開いていました。フードコンテストらしく10店ほど模擬店が並び、麺、スナック、スイーツとバラエティに富んでいて、気合が入っていました。あれもこれもと買い込んでしまい、食べ過ぎて後悔したのは毎度のことです。

 焼きドーナツの模擬店の前では学生さんが2人、呼び込みをしつつ、笑いを取ろうとがんばっていました。見事な滑りっぷり。痛い。でもめげてないです。

 自分の学生時代を思い出しました。私は学園祭の裏方をしていました。裏方なんて面倒なものに集まるのは物好きばかりなのに、その年の先輩は輪を掛けて物好きで、学園祭初のモニュメントとして5メートルのゴジラを作ろうと言い出しました。
 裏山から竹を切り出し、竹ひごと針金で作った骨組みに紙をべたべた張り付け、ハリボテゴジラを作り出しました。2か月かけて組み上がったそれはゴジラというより立ち上がった大トカゲで、学園祭当日は設置場所への移動途中に分解するもなんとか立ち直り、2日間の厄除け役を務めあげました。
 役目を終えた大トカゲをどうしようか思案した末、校庭で燃やすことになりました。盛大に炎上する目論見だったのに火の粉が飛ばないよう水を掛けることを要請され、グスグスと焼けていく大トカゲ。傍らで先輩の男泣きが始まり、それにつられて私も数名も泣き出す始末。何の儀式だったのでしょうか。青臭く恥ずかしく、懐かしい記憶になっています。

 焼きドーナツ屋の2人のボケとツッコミは相変わらず滑っていて、でもめげてないです。これも彼らの記憶の一部になるのだろうな、と思って見ていました。

 焼きドーナツはバニラとチョコの素朴な味でした。おいしかったです。

Photo by Buenosia Carol from Pexels

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