できることを喜びたい

神社にお参りをしました。境内まで70段ほどの長い階段があり、息が上がります。

階段を下りて一息ついていると、杖をついたご年配の方が階段を目指して歩いているのに気づきました。一歩一歩、ゆっくりと歩いておられます。私は眺めながら、階段を登るのは大変だろうな、と思っていました。

階段の直前まで着くと、ベレー帽を脱ぎ、杖を小脇に挟んで頭を下げました。しばらくしてから、上へは登らず、来た道をゆっくりと戻っていかれました。

私は、上がれなくて残念だろうな、と感じていました。お参りをしたくて一生懸命に歩ってきたのに、境内まで行けないなんて。足が悪くなければ。

ゆっくりと歩いておられるその方の横顔が見えました。穏やかに見えました。何か、私はきっと思い違いをしている。この方は十分に満足なさっている。そう思いました。

できないことにくよくよしている私自身が、その方を通して見えました。できることを喜べればよいのに。

好きな音楽を聴きながら、ぼんやりと遠回りして帰りました。

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