てにおはができない君へ

私がベンチで休んでいると、となりのベンチにお母さんと息子さんらしき二人が座りました。息子さんは小学3年生くらいの男の子。国語のプリントのことで叱られているようです。お母さんはかなり熱が入っている様子。

母:くっつき言葉の「わ」は「は」って教えたよねえ?
子:…
母:これ、一年生の問題でしょ。何度も教えたよねえ?
子:…

彼は助詞の「は」「へ」を「わ」「え」と書いてしまうようです。

母:これじゃ野球なんてだめだよ。
子:ぇー。
母:野球なんかだめ。塾が先。塾ね。

彼は野球が好きな様子。う。息子さん、つらいだろうな。

母:これじゃ読みづらいでしょ。読む人が。わかるでしょ。
子:…
母:読む人の気持ちを考えて書かなきゃだめでしょ。人の気持ちがわからないの?
子:…

お母さん、追い込み方がすごい。ううう。つらすぎる。

何回教えられても「は」が「わ」になってしまう彼の姿が思い浮かびます。なんとか埋めた答案で叱られて、野球も取り上げられそうで。息子さんがかわいそすぎる気がしました。

このエピソードを妻さんに話したら、「お母さんの気持ちもわかる」と言います。何回教えてもだめなときは、怒るしか手がなくなる、私もそうだ、とのこと。なるほど。もしかすると彼は奮起して、たくさん練習するのかもしれません。踏ん張りどころなのかもしれません。

なぐさめたくなる私は甘いのかもしれません。それでも、だいじょうぶ、君はがんばっているよ。おじさんは知ってるよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました