水木しげる 魂の漫画展 観覧記

栃木県にある宇都宮美術館へ、水木しげるさんの企画展「水木しげる 魂の漫画展」を妻さんと観に行きました。宇都宮美術館は現代美術をメインにしている美術館で、おもしろい企画展をいろいろ催してくれます。

エントランスはこんな感じ。

画像2

中庭には巨大絵の具。

画像2

展覧会入り口には鬼太郎ファミリーが勢ぞろい。

画像3

ねずみ男は昼寝中。相変わらずだ。

画像4

猫娘。ちょっとこわい。

画像5

水木先生は執筆中。

画像6

これ以降は撮影できず残念です。強烈な展覧会でした。凄さをお伝えするのに語彙力なさすぎてもどかしいです。

驚きポイント満載の中、印象的だったのは画力の凄さです。小学生の頃の絵は既に作品と呼べるレベル。漫画家になる前の絵なんて絵画。水彩、油彩、写実にイラストに空想画、なんでもあり。どこの画家さんの展覧会ですか。いろいろな漫画家さんの展覧会によく行く妻さん曰く、「こんなに上手な人、見たことない」そうです。

妖怪たちを原画で見ることができました。水木さんの妖怪って大人になった今見ても怖いのに、原画だと筆圧や下書き線や直しが生々しく、リアリティマシマシで100倍怖い妖怪がずらっと勢ぞろいしてました。夜中には動き回っているに違いない。幼稚園児っぽいグループが来ていたけれど、夢に出ないか心配です。

ご自身の戦争体験を描いた漫画「総員玉砕せよ!」の原画も展示されていました。戦場の様子が淡々と描かれていて、悲惨さが伝わりすぎて辛かったです。全編読んでみたい気持ちと、読むと沈むなぁという気持ちと複雑です。でも読む。

今までに少しだけ読んだ水木さんの漫画は、キャラクターはさらっと書かれてマンガっぽいのに背景がめちゃくちゃ緻密だし、妖怪はえらく怖いし、エグいシーンがあっさり描かれたりするし、アンバランス具合が独特と感じていました。この展覧会で、画力も、生活苦経験も、死生観も、水木ワールドを形作った太いものを垣間見た気がしました。

私も妻さんも、水木しげると言えば「ゲゲゲの鬼太郎」と、NHK朝ドラの「ゲゲゲの女房」くらいで、ご本人は飄々とした好々爺という印象でしたが、実はすんごい方だったのですね。ちなみに「ゲゲゲの女房」は2010年放送でした。もう9年も経っているなんて倒れそうです。

短編も長編も、たくさんの作品を残されたことも知りました。絵柄になじみがなく敬遠していましたが、俄然興味が湧きました。なにから読んでみようか思案中です。

残念ながらこの展覧会は9月23日まで。お近くの方はぜひ。

画像7

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました