占いとは、タバコのようなものである

超常現象にひかれる心理を認知心理学的に分析する菊池聡先生の本です。エッセイ風の軽い文章なのに、菊池先生の哲学がしっかり詰まった素敵な本です。オカルトを懐疑的に考えようとする人には最適の入門書だと思います。

「占いとは、タバコのようなものである」という言葉が出てきます。うまい表現だなぁと思いました。

タバコは好きな方には疲れた日常の中の気晴らしです。ただし、タバコは基本的には健康に良いものではなく、吸い過ぎれば健康を損ないますし、長期的にはリスクが蓄積します。また、自分が好きでタバコを吸うのだからそれで死んでも良かろうと言いますが、身内は悲しむでしょうし、タバコの煙は周囲にも害を及ぼしますから、決して自分一人の問題ではありません。斯様にタバコには害や益があるのですから、公共の場で大いに議論をすべきです。

占いも判断の責任を自分から解き放ってくれますし、疲れた日常の中の清涼剤ではあります。ただし、占いに過度に頼るのは理性的な判断を放棄することを意味します。また、占いの結果を自分だけではなく集団の方針決定にまで広げれば、それに従わざるを得ない周囲の人々はたまったものではありません。斯様に占いには害や益があるのですから、公共の場で大いに議論をすべきであるのですが、この点はタバコと異なり、占いを正面から批判する声はメディアに乗らないのが常だと思います。

古い本ですが、今もお薦めです。古書としてそれほど苦労せずに入手できるでしょう。

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